ランナーが風邪をひかないようにと願った雨の初日から一転、熱中症さえ心配するような暑さとなった最終日。2日間にわたり16市町を巡った本県の聖火リレーは29日、県庁にゴールした。大きなトラブルがなかったのは何よりだ▼古代ギリシャの五輪が開かれたオリンピアのヘラ神殿跡で、みこ役の女優たちに見守られ太陽光から採られた聖火。57年ぶりに手にし、目の当たりにした県民の熱気が紙面やニュースから伝わる▼聖火リレーの意義は、沿道で見守る住民がスポーツの一大祭典と結び付く喜びを実感することにある。だが、それが県民、国民を挙げての感覚にできないのが実情である。他でもない、新型コロナの存在だ▼県や国は、沿道の密状態を回避するため、ライブ中継での観覧を推奨してきた。しかし、県内でも密集を避けきることはできなかった。感染拡大の原因にならないか、今後のイベントや街なかへの過剰な人出の呼び水にならないか。懸念は尽きない▼直近の共同通信社の世論調査では、東京五輪・パラリンピックを開催するべきとの回答は23%にすぎず、中止すべきとする39%を大きく下回る。聖火リレーにより傾向は変わっていくのだろうか▼どの選択が正解なのかは判断が難しい。ただ、県内期間中の天気と同じく「雨のち晴れ」の結果になればいい。