フィニッシュする加藤さん

 東京五輪聖火リレー県内最終日の29日、県央5市町でランナーが思いをつないだ。さくら市では、前回東京五輪聖火リレー副走者の加藤有(かとうたもつ)さん(76)が57年ぶりにリレーを走った。

 最終区を担当した氏家商工会長の加藤さんは、沿道の子どもたちの声援に手を振って応えた。

 「一生で2回、聖火リレーを走れるのは非常にうれしく思う」。1964年の東京五輪。19歳だった加藤さんは予備のトーチを持つ「副走」を務め、旧黒磯市(那須塩原市)を走った。

 半世紀以上を経て巡ってきた聖火ランナー。50代、60代、70代と3回、がんの手術をした。「病気で悩んでいる人にも、やっていけるぞという姿を見せたかった」。五輪延期も前向きに捉え、毎日2キロを散歩しながら体調を整えてきた。

 市のシンボル・桜の花をモチーフにしたトーチを掲げ、市民の拍手や喜連川公房太鼓にも後押しされ無事フィニッシュした。カメラマンの記念撮影に笑顔で応えると、背景のお丸山公園の桜が祝福に加わった。