聖火リレーを見ようと沿道に集まった人たち=28日午後0時15分、JR小山駅

 1年越しに実現した本県での聖火リレー初日の28日、各市町は新型コロナウイルスの感染防止のため、沿道などで「密」回避を呼び掛けた。各地で開かれるイベント「ミニセレブレーション」も、当初の予定を縮小した。ただし、聖火リレーへの注目度は高く、場所によっては大勢の観覧客が集まり、コントロールが難しい状況も発生した。

◆栃木県聖火リレー第1日の写真

 巴波(うずま)川の遊覧船での聖火リレーに注目が集まった「蔵の街」栃木。川沿いの観覧は事前申込制とし、一般の立ち入りを制限した。だが、国重要伝統的建造物群保存地区の嘉右衛門(かうえもん)町や大通りでも出発前から市民らが鈴なりとなり、市担当者は「想定以上の密集」と驚いた。「このままでは中断もある」。関係者内でそんな声も上がった。

 市職員らが密集回避を呼び掛けたが、ランナーに合わせて移動する人もおり、「コントロールできなかった」と悔やんだ。栃木市、自営業女性(73)は「人生でもう見ることもないと思って。密集するなと言われても無理ですよね」と苦笑した。

 真岡鉄道のSLと聖火ランナーが並走する茂木町は、鉄道ファンの集合を想定し、約1キロ区間を町職員やボランティアら約200人で対応した。三脚や脚立の使用、斜面への立ち入りなどを禁止とし、狙いのスポットでカメラを構えるファンに注意を呼び掛けた。

 ふたを開けてみれば、撮影での密集や混乱はなく、むしろゴールに当たる道の駅周辺に人が詰め掛けた。地元の小学6年女児(12)は「雨とコロナが心配だったが、みんな大声を出していないし、目の前で聖火を見られて一生思い出に残る」と感激した。

 小山市はミニセレブレーションの前後のステージプログラムを中止に。会場の「小山御殿広場」への来場者は事前申込制とし、1人当たり4平方メートルのスペースを確保できるよう地面に升目を引いた。

 関係者による写真撮影などを行い、10分余りで終了したが、同市、パート女性(55)は「短時間でもトーチを間近に見られてよかった」と笑顔で帰途に就いた。