雨の中しっかりと聖火をつないだ104歳の箱石さん=28日午後7時55分、那須烏山市内

 日本を元気にしたい-。東京五輪の聖火リレーがついに栃木県で始まった28日、著名人やオリンピアン、一般ランナーなどが各地で聖火をつないだ。あいにくの降雨にも関わらず、笑顔で手を振るランナーたち。県民も57年ぶりの聖火リレーを見届けようと、生中継された映像を見たり、マスク姿で沿道から拍手を送ったりしながら、五輪開催を心待ちにした。一方、各市町は新型コロナ対策で厳戒態勢を敷いたが、一部で観覧客が押し寄せ密になる場面もあった。

 104歳で現役理容師の那珂川町谷川、箱石(はこいし)シツイさんは、強い雨の中、しっかりした足取りで聖火ランナーの大役を果たした。

 28日午後7時50分ごろ、那須烏山市の善念寺前で聖火を受け取った箱石さんは、長男英政(ひでまさ)さん(77)とともに軽快に歩を進めた。沿道に集まった観客から大きな拍手が沸き起こると、箱石さんは手を振って応える余裕も見せた。

 中継地点の山あげ会館では、壇上で次の走者とトーチキス。国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「烏山の山あげ行事」で使われる野外舞台が設営され、烏山和紙を貼り重ねて絵を描いた高さ10メートルを超える「大山」も立ち上がり、ゴールした箱石さんを祝福した。

 県内ランナー最高齢。リレー後、箱石さんは「転んだら大変と緊張しながら走った。雨は気にならず、沿道の応援の声が聞こえた」と笑顔で話した。五輪に対しては「コロナが静まり、安心して開催できれば」と思いをはせた。

 山あげ会館で箱石さんの走りを見届けた福島泰夫(ふくしまやすお)那珂川町長は、「延期になった1年間使命感と緊張感を持続したことが素晴らしい。町の誇りだ」と賛辞を贈った。