宇都宮市が進める小幡・清住土地区画整理事業で、市が2021年度に地権者による建物移転に着手することが、26日までに分かった。区画整理対象約17ヘクタールを29ブロックに分けて域内の建物を一気に取り壊し、整地後に地権者が建物を再築する「集団移転方式」を採用する。住宅密集地の事業を迅速に進める狙いで、転出から再築までの目安は最速3年間。県は「区画整理地区全体での集団移転は聞いたことがない」とする。1966年度の都市計画決定以降、55年ぶりに建物移転が動きだす。
区画整理では、換地先を確保しながら建物を順繰りに移転する「玉突き方式」が一般的。地権者の同意ごとに事業を進めるため、まとまった同意が必要な集団移転方式よりハードルが低いとされる。しかし太平洋戦争の空襲を免れた小幡・清住は老朽化した建物が密集し、玉突き方式の採用が難しかった。