寄贈されたカサマシコアマビエの「弟」を前に、町長室で執務に当たる大塚町長

 【益子・笠間】笠間市在住の作家田崎太郎(たさきたろう)さん(51)がこのほど、新型コロナウイルスの早期収束を願う陶人形「カサマシコアマビエ」を益子町に寄贈した。「かさましこ ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」の日本遺産認定を契機に、疫病退散の妖怪「アマビエ」をモチーフとした独創的な兄弟2体を制作し、「兄」は同市の茨城県陶芸美術館に贈った。町は収束後に「弟」を益子陶芸美術館に展示し、一般公開する方針だ。

Web写真館に別カットの写真

 田崎さんは北九州市出身。民間会社を退職後に作家を目指し、益子や笠間で修業を重ね2000年に独立した。笠間市に工房火の玉発動機を構え、生き物や神がベースの独特な作風と背景にストーリーがあるメインキャラクター「魔除(マヨケ)シャーマンペンギン」や「仔猫神(こねこがみ)」の陶人形を制作。都内の百貨店などで個展を開くと即完売の人気という。

 カサマシコアマビエは高さ約20・5センチ、幅約13センチ。魔よけの紋様と愛らしい表情が特徴で、「かさましこ」「日本遺産」などの文字が入ったつぼを頭に載せている。紋様が右目の周囲に入っているのが「弟」、眉間にあるのが「兄」と違いも施した。手びねりで作陶し、完成まで3カ月ほどかかったという。

 「益子は初めて個展を開いた思い出の地であるとともに、陶立体作りの方向性を決めた原点」と語る田崎さん。「コロナの収束を願いつつ、両美術館の所蔵により感染症と闘った歴史の記録として後世に伝えられればうれしい」と期待を込めた。

 大塚朋之(おおつかともゆき)町長は「田崎さんから『収束するまでは町のコロナ対策の指揮を執る町長の部屋に置いてほしい』と要望があった。感染者が増えないよう祈念し、収束後に一般にお披露目したい」と感謝している。

 カサマシコアマビエの「兄」は、茨城県陶芸美術館に常設展示されている。