「よちよち」の時期は過ぎ、言い表すなら「ぴょこぴょこ」か。街なかで見掛ける保育所や幼稚園の園児が集団で散歩する姿は愛らしく、癒やしさえ感じる▼最近、宇都宮市内を車で走っていると、見慣れない大きな路面標示、あるいは看板に気付く。宇都宮市が設けた「キッズゾーン」を知らせる表示だ。ゾーンは2019年、大津市で保育園児らの列に車が突っ込み16人が死傷した事故を受け、国が設定を推進している▼宇都宮市は本年度初め、市内の保育施設周辺の半径500メートルの設定に着手し、1月からは路面標示254カ所、看板112カ所の作業を進めてきた。同市担当者によれば、現在のところ全国最大規模だという▼目的は散歩や公園への移動、通園などの際の安全確保。子どもは何の弾みで飛び出すか分からないし、車もスピードが速いほど事故を起こす危険性は高まる。子どもたちが通る道路であることをドライバーに知らせて注意を喚起する▼危険な園外に出なくても、と不安視する人もいるだろう。だがそこには、道路に潜む危険を学んだり、交通ルールを身に付けたり、地域と触れ合ったり、成長するために必要な要素がたくさんある▼間もなく4月。新入園児が散歩の列に加わる。慣れるのには少し時間がかかる。標示を見たら減速し、優しい運転で見守ろう。