宇都宮市が市子どもの家(学童保育)の指定管理者に「不適切」だとして株式会社明日葉(東京)の指定を取り消した問題で、同社は19日、取り消しの差し止めを求める仮処分を宇都宮地裁に申し立てたと発表した。「市に重大な事実誤認がある」と指摘。市は「申立書を確認していないため、コメントを差し控える」とした。市は、同社が運営することになっていた12施設は地元住民や保護者らがつくる委員会に運営委託すると明らかにした。

 市は4月から子どもの家全67施設の運営主体を指定管理者に移行する予定だった。「陽北・豊郷」「陽南・横川」の両ブロックの子どもの家計12施設の指定管理者に同社を選定していたが、「指定管理開始まで2週間になる中、必要人員の1割しか正式な雇用契約を結んでおらず、不適切な対応で(指定管理移行前から勤務している)指導員との信頼が損なわれた」として18日に指定を取り消した。

 申立書などによると、子どもの家運営に必要となる指導員は約130人。移行前の指導員のうち契約書を返送した人と電話で意思を確認した人を合わせると「既に64人と契約済みだった」と主張。加えて「26人を新規雇用していた」とした。

 さらに同社の他事業所の従業員を臨時的に充てられることやノウハウがあることなどを強調し「指定管理開始前の取り消しは前代未聞」などと訴え「回復不能の損害を被る」と強調している。

 同社の申立書は、取り消し前の段階で作成された。18日の取り消しを受け、今後、現状に合わせるよう対応するとみられる。

 一方、市は19日の市議会の議員協議会で、これまで12施設を運営してきた地元の委員会から1年間の運営継続の意向を確認したと説明した。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「安定運営の見通しがついた」と述べた。市が人材確保などを支援し、2021年度に指定管理者を選び直す。

 市議会の総務、文教国体の両常任委員会は15日、同社について「指定管理者には不適切」などとし、運営事業費を含む市の21年度一般会計当初予算案を否決している。市は体制変更に伴い定例市議会最終日の23日に予算案を訂正する。