利用客がまばらな「日光きぬ川ホテル三日月」の足湯。担当者は首都圏からの客足回復とコロナ禍の終息を願う=18日午後、日光市鬼怒川温泉大原

 新型コロナウイルス感染症を巡り、政府が首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言を21日までで解除すると表明した18日、県内の宿泊施設や観光地では期待と不安が交錯した。本県はアクセスの良さから首都圏の観光客が多く、「客足回復の追い風となれば」と願う一方、昨春の感染第1波による客足減が脳裏をかすめ「同じ道は歩みたくない」と危機感も高まる。感染再拡大(リバウンド)を懸念しつつ、模索の営業が続く。

 県内各地が4月並みの暖かさとなった18日午後、日光市鬼怒川温泉大原の「日光きぬ川ホテル三日月」。昨年の館内リニューアルで登場した、温泉をプールのように水着で利用する屋外施設「おぷーろ」や足湯を楽しむ「水盤テラス」の人影はまばらだった。

 小林振一郎(こばやししんいちろう)副支配人(60)は館内を見回し、「緊急事態宣言の解除で一日も早く客足が戻ってくれるとありがたい。ただ、本県を含めて各地でリバウンドの傾向があるのが気掛かり」と複雑な胸中を吐露した。

 ホテルは鬼怒川温泉で最大の客室数を誇り、約1200人収容できる。宿泊客の40%近くは東京都や埼玉県から訪れ、リピーターも多い。しかし本県も含めて発令された緊急事態宣言により、3月の平日は宿泊客数が100人に満たない日もあるという。

 小林副支配人は「館内は消毒など感染対策を徹底しており、安心して利用してほしい。大自然を一望しながらの足湯やプールは感染リスクも少なく、SNSなどで魅力を発信していきたい」と力を込めた。

 首都圏からのビジネス客も多い宇都宮市中心部の宇都宮東武ホテルグランデは、最近の宿泊稼働率が35%前後にとどまっている。例年は80%程度といい、担当者は「経済回復の効果に期待したい」と受け止めた。

 那須岳(茶臼岳)の7~9合目を結ぶ那須町湯本の「那須ロープウェイ」は、20日から今年の営業を開始する。運営する関東自動車ロープウェイ部の大輪洪一(おおわこういち)部長(50)はかき入れ時のゴールデンウイーク期間を含めて休業を強いられた昨春の第1波を振り返り、「2年連続で同じ苦労は経験したくない」と願った。