いま世界で最も注目されているアコースティックギタリストは、小柄な日本の少年だというと、驚く人も多いだろう▼2003年生まれの西村(にしむら)ケントさん。小学生の時に人気ギタリストの押尾(おしお)コータローさんに才能を認められ、中学1年の夏休みにデビューアルバムをレコーディングした▼この天才少年の存在を世界に広めたのは、動画投稿サイト「ユーチューブ」だった。「KENT NISHIMURA」の名前で独自のアレンジをした名曲を1曲ずつユーチューブにアップ。あっという間に世界中にファンができた▼視聴数が半端ではない。例えばマイケル・ジャクソンの「スリラー」は200万回を超える。コメント欄の大半は外国人の絶賛の言葉だ。現役のミュージシャンは「30年プロとしてギターを弾いてきたが、こんな演奏は想像したこともない」▼ケントさんの奏法は、ベース音の進行やボディーをたたくことで打楽器のリズムも表現する。つまり、一本のギターでベースやドラムも同時に演奏しているように聞こえる▼アコースティックギタリストの巨匠、トミー・エマニュエルさんは自身のコンサートにケントさんを呼び演奏させた。多くの人々が驚嘆する才能を知ることができたのは、自宅の一室から動画サイトで世界に発信できる時代だからこそ、と言えるだろう。