親の不安を軽減するため、保育士が2人体制で支援に当たるカンガルー教室

 発達に気になる傾向がある子どもと、その親を支援するため、宇都宮市が早期療育支援事業の一環として同市鶴田町の市子ども発達センターで開く「カンガルー教室」の利用者が年々増えている。2019年度は10年前の1.5倍に上る552人が利用し、過去最多となった。背景には発達障害に対する社会的な理解の広まりがあるとみられる。

 同教室は2007年にスタート。言葉に遅れがある、かんしゃくを起こしやすい、動きがぎこちない-など、障害が疑われる幼児を対象に、保育士が遊びを通して心と体の発達を促す。

 実施方法は個別とグループがあり、個別の場合、親子は1回45分間の教室に月1回のペースで通う。保育士2人が親と子それぞれに対応。親の不安を和らげ、子どもの特性に合わせた関わり方をアドバイスするなど、保護者への支援を重視した取り組みが特徴だ。

 利用者数は10年度に375人だったが、17年度には500人を超えた。同センターは市内の保育園や幼稚園の職員らを対象に積極的に研修を行っており「昔は怒られていた子が、今は発達の『特性』と捉えられ、支援につなげる形ができてきた」と同センター発達指導グループの飛田知恵(とびたちえ)係長。

 早期療育に取り組む民間事業所も市内で約40カ所と身近になり、支援を受ける保護者の心理的なハードルも低くなってきたという。

 市内の母親(40)は、言葉が少なく、泣き叫ぶことが多かった3歳の息子を心配し、同教室に通い始めた。「複数の言葉を一度に理解することが難しいと分かり、伝え方を工夫した」ところ、かんしゃくが減って言葉も増えてきたという。

 母親は「これまでは同じ月齢の子どもと比べてしまい不安でしたが、今は成長が感じられ、心が楽になった。息子も毎月楽しみにしています」と話す。

 同センターによると、保護者も障害の傾向があったり、生きづらさを抱えていたりするケースがあるため、対応力の強化が課題という。同センターは「幼いうちから適切な関わり方をすることで、子どもの自己肯定感が育まれる。今後も親子の安心につながる支援に当たりたい」としている。