楠野さんの手記が掲載された安全運転教本

 運転免許更新者に配布される安全運転の教本の刷新に伴い、2001年に交通事故で次男の敦司(あつし)さん=当時(22)=を亡くした栃木市在住、楠野祇晴(くすのまさはる)さんが新たに執筆した手記が掲載された。事故からの20年を思い昨年10月に一晩かけて執筆した手記には、「誰も加害者、被害者にならないでほしい」という切なる願いが込められている。

 敦司さんは01年4月7日朝、栃木市(旧大平町)の県道交差点をオートバイで直進中、右折して来た大型トラックと衝突し、亡くなった。

 楠野さんが「一番思いを込めた」という今回の手記。「突然の交通死亡事故から20年。哀しみはいっそう深くなります」。癒えない悲しみ、事故防止への強い思いをしたためた。文末では「『だろう運転』ではなく『かもしれない運転』を」と呼び掛ける。

 出版元によると、教本はA5判の128ページで楠野さんの手記は表紙の裏ページに掲載。栃木県に加え、群馬、静岡の両県で計約100万部の配布を見込む。

 県警運転免許管理課によると、新しい教本は3月中旬以降、県運転免許センターや県内の警察署などで配布される。

 楠野さんは「ドライブレコーダーの重要性や持病で服薬している場合の注意など、書き切れない思いもある。読んでもらい、安全運転につなげてほしい」と話した。