小山市で20年ぶりの新市長に浅野氏が就任して200日が過ぎた。元農水官僚で強力なリーダーシップを発揮した大久保前市長とは対照的に、浅野市長は市民活動に関わってきた弁護士として「対話」を重視する。変わりつつある市政の現状を追った。

市議会本会議場で発言を求め挙手する浅野市長

 浅野正富(あさのまさとみ)市長が手掛けた初めての予算は難産だった。不足する財源をなんとか生み出そうと、全ての歳出をゼロベースで見直した。だが、20億円がどうしても埋まらない。

 予算編成の最終盤で、浅野市長は予算額の上方修正と水道事業会計からの10億円借り入れを決断した。「これ以上補助金を削減するなら、私たちの人件費を削ってください。市民に説明できない」と訴えた職員の声が、耳に残っていた。

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 農水官僚出身だった大久保寿夫(おおくぼとしお)前市長の市政運営は「上から政策が降ってきた」と、ある幹部職員が振り返る。「意見を言えばつぶされる。怒鳴られる。それが20年も続けば職員もまひしてしまう。浅野市長は話を聞いてくれる。そこは期待通りだ」

 浅野市長は「たとえ市長の指示でも市民のためにならないと思ったら一歩も引かない、プロの行政マンに徹してほしい」と職員に期待する。市民活動家でもある弁護士から転身した新人市長は、真剣勝負で職員との意見交換を望んでいる。