「インバウンド」という英語を耳にするようになって5~6年たつだろうか。外国人誘客、訪日外国人客といった意味で、言葉として市民権を獲得しつつある▼政府は、訪日外国人観光客数の目標を2020年に4千万人としている。昨年度は約3千万人に達し、東京五輪・パラリンピックもあることから、あながち無理な数字でもなさそうだ▼外国人延べ宿泊者数は昨年、7800万人で調査開始以来最高となった。東京都が最も多く、次いで大阪府、北海道の順。本県は26万人で残念ながら全国32位に甘んじた▼ちなみに3年前の16万人、25位と比べると、人数で10万人増えたものの順位を落とし、外国人客を取り込めていない実態が分かる。東京に近い恵まれた立地や、世界遺産に登録された「日光の社寺」、那須などの観光資源の生かし方に工夫を凝らす必要がある▼日光東照宮は先ごろ、陽明門や三猿のある新厩舎(きゅうしゃ)など、境内の建物を紹介する解説板を23基設置した。以前は日本語だけだったが、外国人目線に立った英語による表記が加わったことが大きな特徴である▼日光山輪王寺は中禅寺立木観音でクレジットカードと電子マネーの決済システムを導入し、外国人観光客からの要望に応えた。とはいえ環境整備はまだまだ。訪日外国人客急増という商機を逃してはならない。