震災から10年を迎える浪江町。海岸沿いでは防潮堤や防災林の整備が進んでいる。手前は津波の被害を受け震災遺構となる請戸小。奥は福島第1原発=10日午前6時55分、福島県浪江町請戸、小型無人機から

 鎮魂の日を翌日に控えた10日朝、地震、津波、原子力の複合災害に見舞われた福島県浪江町の沿岸部は、青い海が穏やかな波音を立てていた。

 10年前、この海は15メートルを超える大津波となり、町をのみ込んだ。町内の死者、行方不明者は計182人。長引く避難生活による震災関連死は441人に上る。

 沿岸部で整備が進む町内の防潮堤は、県によると今月中に完成予定という。津波で被災した海岸近くの請戸(うけど)小は、震災遺構としての保存整備工事が進められている。

 原発事故で一時、全町避難を余儀なくされた同町。避難指示は2017年3月末に一部で解除されたが、放射線量が高く立ち入り禁止の帰還困難区域は今も残る。

 同県須賀川市、森合美恵子(もりあいみえこ)さん(62)は夫桂一(けいいち)さん(64)と同町を訪れた。「町の様子は変わったけど海は変わらないから、また海を見に来たい。次の10年後、町はどうなっているだろう」と未来へ思いをはせた。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11日で10年を迎えた。