県内総生産の実質成長率の推移と予測

 あしぎん総合研究所は8日までに、2020年度の県内総生産の実質成長率について、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前年度比7・7%減と予測する調査リポートを発表した。「戦後最悪のマイナス成長となる」とみている。一方、21年度はワクチンの普及や企業収益が持ち直すなどの見通しから、本県は4・4%増のプラス成長に転じると予想している。

 あしぎん総研は、全国と本県の実質成長率の関係性を分析し、各予測機関の見通しや各種統計データを踏まえて予測値を算出した。

 自前の景況調査で20年4~6月期の栃木や群馬、茨城、埼玉県の企業景況感はリーマン・ショック以来の低水準だった。「緊急事態宣言による経済活動停止で急速に冷え込んだ。持ち直しつつも大幅なマイナス圏で推移が続く」とみる。

 個人消費は業態によって明暗が分かれている。小売業は「巣ごもり需要」の影響などで底堅く推移している。一方、対面型のサービス業への影響が甚大だとし、本県の20年度の個人消費を7・2%減、21年度は2・5%増と予測した。

 住宅投資は購入マインドが下押しされるとみて20年度は7・8%減、21年度は上向くと想定する。設備投資は景気悪化や先行き不透明感が企業の投資意欲減退につながっている一方、情報機器など情報化投資の需要が根強いという。20年度は6・0%減、21年度は1・8%増と見立てた。

 公共投資は「力強い回復を示している」。19年の台風19号被災の復旧工事や宇都宮市の次世代型路面電車(LRT)事業など公共投資案件が多数あり、県内経済を下支えするとみて、20年度は21・6%増、21年度は10・0%増と見通した。

 こうした数値から20年度の実質成長率は、あしぎん総研が予測する国内の5・5%減よりも下げ幅が大きい7・7%減と予想した。コロナ禍前の水準への回復は22年度以降と分析する。

 あしぎん総研は経済復興に関し、気候変動対策などと結びつける「グリーンリカバリー」に注目する。「地球温暖化対策に絡めた投資や脱炭素社会に向けた取り組みが経済復興のポイントの一つ」とみている。