エコシティ宇都宮を巡る主な動き

 事業停止し破産した民間産業廃棄物処理業者「エコシティ宇都宮」に交付された補助金を巡り、県が国に返還した補助金相当額約1億9600万円を返すように求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林道晴(はやしみちはる)裁判長)は2日、県の訴えを認めて国に全額返還を命じた一審、二審判決を取り消し、県の請求を棄却した。県の逆転敗訴が確定した。補助金の返納は適法と判断した。判決は第3小法廷の5裁判官全員一致の結論。

 エコシティの事業停止から約12年半。未回収となった補助金相当額の返納責任を巡り、県と市、県と国が争った異例の行政間訴訟は終結した。司法は責任が県にあると判断した格好だ。

■責任逃れ、ツケは栃木県民に

 民間の事業失敗で生じた多額の補助金返還の責任は、どこにあるのか。宇都宮市で2008年に事業停止し破産したエコシティ宇都宮を巡り、県が国に対して起こした訴訟は、2日の最高裁判決で県側が敗訴。三つの裁判が起こされるなど異例の展開をたどったこの問題の責任は、県が負う形となった。

 同社が約2億6千万円の補助金を受けたのは、国の「バイオマスの環づくり交付金」。国から県、市を通じて交付され、06年に操業を開始した。コンビニやスーパーの売れ残り弁当などを堆肥化する県内初の民間処理施設で「環境問題に一石を投じる事業になると期待された」(県関係者)。

 ズーム エコシティ宇都宮補助金返還問題を巡る訴訟 エコシティの操業停止に伴い、国の求めで県は補助金の一部の約1億9600万円を返納。宇都宮市に同額の返還を求めたが拒まれ、2012年に市を提訴した。1、2審ともに県の請求は棄却され、16年に敗訴が確定した。13年には市民オンブズパーソン栃木が、福田知事に相当額の損害賠償を求めるよう県を相手取り提訴。1審は県が敗訴したが、2審は県が勝訴し、17年に最高裁はパーソンの上告を棄却した。16年には県が国に返還を求める訴訟を起こし、1、2審は県が勝訴した。