栃木翔南高の坂本一隆(さかもとかずたか)教諭(51)は3年生の担任だった一昨年の秋、がんを宣告された。生徒が受験を控えた重要な時期に、2カ月の入院を余儀なくされた▼痛感したのは、何かあっても速やかに引き継げるよう教員間で情報を共有するなど、業務を見直す必要性だ。自分の頭に入っているから大丈夫、では済まされない▼教員の多忙がクローズアップされている。過労死ラインと呼ばれる月80時間以上の超過勤務者も多い。解消には慣習化し膨大化した業務の改善が欠かせないが「働き方改革は遠い世界の話だと感じていた」と坂本教諭。同感する先生も多いのではないか▼本年度、県教委が行う業務改善推進者研修のメンバーに選ばれたのを機に、率先して校内の見直しに取り組んだ。例えば手集計だった生徒のアンケートにITを活用したり、遅い時間まで働いている同僚に声を掛けたり▼一つ一つの改善は小さくても、積もり積もれば教育の質を落とさずゆとりを持った働き方に道を開く。新型コロナウイルスのまん延で、学校はてんやわんやの一年だったが、こんな時期だからこそ新たなやり方に挑戦できる▼多くの教員が働き方改革をわが事として捉え、気軽に話し合える機会が増えるといい。心身共に健康で働けることが、何より子どもたちの充実した学校生活に直結する。