段ボールと新聞紙で作った補強材(中央)を棚の隙間に設置し、棚をさらに固定した(稲葉理事長提供)

稲葉理事長が地震を受けて作った補強材。段ボールに新聞を詰める(稲葉理事長提供)

稲葉茂理事長

段ボールと新聞紙で作った補強材(中央)を棚の隙間に設置し、棚をさらに固定した(稲葉理事長提供) 稲葉理事長が地震を受けて作った補強材。段ボールに新聞を詰める(稲葉理事長提供) 稲葉茂理事長

 2月13日の夜中に突然起きた強い地震。高根沢町や那須町では震度5強を観測し、宇都宮市の一部などでは停電も発生した。就寝中で慌てて跳び起きた人や、停電による暗闇に不安を感じた人もいたのでは。夜中の地震に慌てないための対策などを栃木県防災士会の稲葉茂(いなばしげる)理事長に聞いた。

 夜中に大きな地震が起きたらどうしたらいいのか。地震時の初期対応の基本は(1)ドロップ(体勢を低く)、(2)カバー(頭を守る)、(3)ホールドオン(動かない)だという。就寝中なら落下物でけがをしないよう布団をかぶり、じっとしていよう。慌てて起き上がると、転倒してけがをする場合もある。落下してけがをしそうな物は布団付近に置かないように気を付けたい。

 冬場に停電が起きると困るのが寒さ対策。エアコンや電気ストーブは使用できなくなる。稲葉理事長は「エネルギーは一つに絞らず、複数用意しておきたい」と話す。電気を利用しない石油ストーブは暖を取れるだけでなく、調理もできるので便利だ。

 地震によるけがの最大の原因は、家具類の転倒や落下物。普段からチェックしたいポイントは、動く(テーブルやテレビなど)、倒れる(タンスや冷蔵庫など)、落ちる(照明器具や額など)、飛ぶ(棚の本や食器など)、割れる(ガラス戸棚や食器など)物がないかだ。

 棚を固定したり、本の落下防止に滑り止めシートを敷いたり、テレビやパソコンなどが落ちないよう耐震ジェルを使ったりなど、日頃から対策を行っておこう。100円ショップでも地震対策に使えるグッズがあるという。稲葉理事長は「普段の備えがあれば、夜中に地震が発生しても慌てることはない」と呼び掛ける。

 今回の地震で、稲葉理事長の家では補強材で固定していた棚が揺れた。補強材と天井の間に緩みがあったため、稲葉理事長は段ボールに新聞紙をぎっしりと詰めて補強材を手作りし、棚の上に追加で設置したという。家具がきちんと固定されているかなど、定期的に点検もしたい。

 日頃から用意したい物は水と明かり。断水時はトイレの使用に困る。バケツ半分ほどの水があればトイレで流せるので、飲み水の用意だけでなく、風呂の残り水を捨てないでおくのも備えの一つ。懐中電灯はリビングや寝室など複数箇所で分かりやすい場所に置いておく。

 家の耐震性も重要だ。建築基準法が新しい耐震基準に改定された1981年以前に建てられた家は「耐震性はないという前提で考えてほしい」と訴える。国のデータでは、震度6以上で7割が全壊する予測が出ている。耐震診断をして、筋交いを入れるなど耐震補強をしておきたい。

 稲葉理事長は「今後も余震が続く可能性がある。できるところから対策をして、安心材料を増やすことが地震への備えになる」と話している。