発生8日目を迎えた足利市の両崖山周辺の山林火災は28日、鎮圧に向けて地上部隊による残り火の処理が本格化した。消防隊員は重量約20キロの水のうを背負って入山、下山を繰り返し、地道な消火活動を続けた。
民家への延焼阻止のために設けた六つの防衛線のうちの一つの今福町では、那須地区消防組合の隊員8人が午前9時から散水に当たった。
現場は急勾配で、深さ約20センチの腐葉土の上に燃えた灰が積もる。切り株や地面から立ち上る煙を見つけては散水し、消えない場合はナタで割ったり、スコップで掘り起こしたりしながら火種を消して進む方針という。
消火ヘリからの散水が始まる際は、安全を確保するために退避をすることが必要。この日も午前10時半ごろ一時下山し、上空からの散水が終了した午後1時すぎに再び入山した。数時間に1回は、ジェットシューターと呼ばれる水のうの水を補給する。27日は水源と現場を7往復したという。
同組合那須消防署の鈴木貴人(すずきたかひと)消防司令(46)は「脚にくる。思うようなスピードで進めないが、一つ一つ丁寧につぶしていきたい」と話した。