児童から届いた手紙とパンフレットを手にする石井会長(左)と岡本顧問

 【宇都宮】清原地区の住民約30人でつくる「きよはら鬼怒川ロマンの会」は、かつて鬼怒川の水運で結ばれていた東京都中央区と地域ぐるみの交流を続けている。新型コロナウイルスの影響で本年度は例年行っている事業が全て中止になったが、代わりに農産物のプレゼントやパンフレットの配布などに取り組み、絆を強めた。石井健二郎(いしいけんじろう)会長(75)は「縁を大切にして歴史を未来につなげたい」と語る。

 江戸時代、鬼怒川は物資を輸送するための重要な水路だった。清原地区には荷役のための河岸があり、船で運んだ物資は中央区で荷揚げされたという。こうした歴史に思いをはせ、つながりを再現しようと、2006年に交流が始まった。

 近年は、同区にある日本橋小の児童を対象にした田植え教室(5月)、少年サッカー交流試合(7月)、「日本橋・清原ふれあい祭り」(10月)と、年間を通じて活動を展開している。

 本年度は、コロナ禍でも「互いの地域を思い合う“種”を心にまこう」(石井会長)と、交流の歴史を伝えるパンフレットを作成して両地域の小学生に配布した。

 清原産の切り干し大根を手作りし、同校の全児童約400人にプレゼントすると「とてもおいしくて家族も喜んでいました」「お体に気を付けておいしい野菜を作ってください」などと書かれた手紙が届いた。

 「清原をもっと好きになるクイズ」に正解した同校児童にイチゴを贈る企画や、日本橋の住民を対象にした農産物の通信販売も実施し、好評だったという。

 同会顧問の岡本芳明(おかもとよしあき)さん(72)は「新たな交流の形を多面的に実現できた。将来的には市全体を巻き込んで、交流を発展させていきたい」と話している。