飲食店の時短要請が解除され、宇都宮屋台横丁で食事を楽しむ常連客=22日午後7時40分、宇都宮市二荒町

 県内全域の飲食店を対象とした県の営業時間短縮要請が解除された22日、酔客は午後9時以降も飲食を楽しめるようになり、宇都宮市内の夜の街に少しだけ活気が戻った。飲食店は「ようやく再スタート」「感染対策を一層徹底したい」と前を向く。一方で人出の増加は感染再拡大の不安と隣り合わせにあり、飲食店主らは通常営業の再開を手放しで喜べないジレンマを抱えている。

 22日夜、23の飲食店が軒を連ねる宇都宮市二荒町の「宇都宮屋台横丁」。会社員らが待ちわびたようにジョッキを傾ける。しかし空席が目立つ店も多く、例年のにぎわいにはほど遠い。

 「塩だれやきとりしんちゃん」の西新太郎(にししんたろう)オーナー(35)は「通常営業が再開できるのはうれしいが、素直には喜べない」と複雑な胸中を明かす。感染対策のため、現在は常連客を中心に受け入れている。

 売り上げが前年比で3割程度に落ち込んだ月もある。感染が再び拡大すれば経営の脅威となるのは必死。第4波は何としても「防ぎたい」と警戒を強める。

 横丁内の「おだいどころ華乃庄」。真岡市上高間木1丁目、会社社長金澤直文(かなざわなおぶみ)さん(56)は店の常連で、「仕事が終わってから飲みに行ける営業時間になった」と喜ぶ。店主の宇賀神直子(うがじんなおこ)さん(56)は「飲食時以外にはマスクの着用を徹底してもらうなど、感染対策にさらに気を配りたい」とした。

 オリオン通りも人通りがまばらなままだった。スペインバル「ペケ」の吉田翔平(よしだしょうへい)店長(32)は「お客が来なくても、家賃や人件費は掛かり続ける。卸業者も厳しく、飲食店は負の連鎖に陥っている」と声を落とした。

 大通り3丁目で居酒屋「のん太」を営む臼井薫(うすいかおる)さん(70)は「時短要請の解除は、期待よりも不安のほうが大きい」と率直に語る。「客足が戻るには相当の時間が掛かる」とし、迎える歓送迎会シーズンも「厳しいだろう」と受け止めた。