矢吹拓医長

 年末から急拡大した新型コロナウイルスの感染。能動的に宇都宮市保健所などの支援に動いた国立病院機構(NHO)栃木医療センターの矢吹拓(やぶきたく)内科医長に経緯や課題などを聞いた。

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 年末年始のセンターの状況について「入院患者の出入りはあっても常に満床。中等症までの対応を担う位置付けだが、重症者の受け入れ医療機関も満床で転院ができず、対応したこともある。年末は病棟での重症者対応のため新規コロナ患者の受け入れを止めた。年明けは患者が多く、それもできなかった」と述べた。

 入院患者から聞き取るなどした感染拡大経路を「年末の忘年会などで感染した人が帰省などで家族内感染を招き、さらに家族から高齢者施設内の感染などにつながった」と指摘した。

 第3波は一気に押し寄せたが「行政は、どんな波の可能性があるかを想定し、それぞれの医療機関や宿泊療養施設などに、事前に具体的な定員も示しておかなければならない」とした。

 第4波を見据えた具体的な課題として「軽症、中等症、重症それぞれにさらなる病床の確保のほか、感染拡大局面での柔軟で迅速な体制変更と人員配置、原則入院を入り口に宿泊療養を『下り』とする患者フローの確立」などを挙げた。

 また「入院患者や重症患者の対応など『下流』の対策だけでなく、感染予防や感染者の接触経路の迅速な特定など『上流』へのアプローチが重要」と強調した。