来園者の減少に直面する観光イチゴ園。コロナ禍によって対応を迫られている=15日午後、佐野市の佐野観光農園

 栃木県内の観光イチゴ園は、コロナ禍の影響で来園者の減少に悩まされている。県農政部によると、第1波に見舞われた前季の経験を生かし、出荷や直売に回して廃棄を防ごうと動いた農園が多い。それでも、2度目の緊急事態宣言によって廃棄に追い込まれた場所もある。栃木県の代名詞とも言えるイチゴ。その魅力を発信する機会の喪失も懸念されている。

 15日午後、佐野市植下町の佐野観光農園。広いハウスの中でイチゴ狩りを楽しむのは男女2人だけ。平日であいにくの雨という要因もあるが、「それにしても少ない」と関哲夫(せきてつお)取締役農園部長(54)は嘆いた。

 シーズンには、約7万人が訪れた同園。今季は例年の半分ほどに落ち込んでいる。

 ただ、来園者の減少はある程度覚悟していた。2カ所ある農場のうち一つは、併設する直売所などでの販売専用とした。プレハブを選果場にし、自動ラップ機も導入した。「廃棄を防ぎたい」と懸命だった。

 イチゴ狩りのハウスでは、密を避け、体温測定をするなど感染対策を徹底している。だが、政府の緊急事態宣言に栃木県が追加された1月13日~2月7日、来園者が激減した。摘み取り体験用に熟したイチゴを販売に回すことはできず、廃棄せざるを得なかった。

 関取締役は「おいしい時季のイチゴを食べてもらえなかったことは、本当に残念」と悔しさをにじませた。

 ハウス6棟でイチゴ狩りを受け付ける真岡市阿部品の小島(おじま)農園も、申し込みが例年の半分以下に減少し、傷んだイチゴの処分を余儀なくされた。対策として、インターネット通販サイトへの出品や直売に力を入れている。販路開拓のため、自社でネット販売する検討も始めた。

 接客担当の小島七子(おじまななこ)さん(32)は「今は辛抱の時。次のシーズンにつなげられるよう、お客さまに誠意を持って対応していきたい」と語った。