新型コロナの県内企業業績へのマイナス影響

 新型コロナ禍で打撃を受けた県内経済は、疲弊した状況が続く。帝国データバンク宇都宮支店が18日に発表した栃木県内の企業への調査で「業績にマイナスの影響がある」と答えた企業の割合は計86.2%に上り、高止まりの現状が浮かんだ。栃木県は国の緊急事態宣言の対象地域から外れたものの、県内の飲食店への営業時間短縮の要請は継続中。企業倒産や解雇が「今後、増えるのではないか」と懸念する声は根強く、経済の正常化に向けた先行き不透明感は拭えない。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 同支店が1月に行った県内企業の意識調査(有効回答145社)によると、コロナ禍で業績に「マイナスの影響がある」との回答は70.3%、「今後マイナスの影響がある」は15.9%に上った。二つを足した全国平均の計78.8%を栃木県は7.4ポイント上回る。計12回の調査では10カ月連続で80%超の深刻な状況にある。

 「大地震の揺れが続いているような状態」。同支店情報担当の古川哲也(ふるかわてつや)さんは現状をそう例える。日光や那須などの一大観光地を抱える栃木県。国の観光支援事業「Go To トラベル」の停止の影響の大きさを指摘し、「観光だけでなく広い裾野で悪化の影響が出ている」と強調する。

 感染防止と経済活動は、両立が難しい関係にある。栃木県は年末年始の感染急拡大に伴い、県から飲食店に時短営業の要請が出され、経営環境は厳しさを増した。ブレーキとアクセルをどう踏み分けるかが常に問われている。

 雇用環境も悪化している。昨年9月、栃木労働局が発表した同7月の有効求人倍率(季節調整値)は5年半ぶりに1倍を下回った。同12月は半年ぶりに1倍を回復したが、楽観できない状況。厚生労働省が今月16日に発表したコロナ関連の栃木県の解雇や雇い止めは12日現在、計1186人となり、昨年5月末の177人から大幅に増加した。製造や宿泊、飲食業などが多いとみられる。

 昨年3月1日から今年2月15日に連合栃木へ寄せられたコロナ関係の労働相談は93件あった。雇用や賃金関係が6割超を占め、正社員からの相談も3割に上る。「仕事が減って派遣先がない」。内容は深刻さを増しているという。

 東京商工リサーチ宇都宮支店によると、18日までの県内のコロナ関連倒産(負債総額1千万円以上)は20件。実質無利子・無担保融資などの公的支援が資金繰りを支え、倒産を防いでいる側面が強い。一方で今後、国の支援策が終わり、経済再生のアクセルが踏まれた際、「競争激化」と「業績の二極化」を懸念する声もある。