おなじみの包装紙でデイリーファームの味を目指す田渕さん(右)と片山さん

クレープの試作を繰り返す田渕さん(奥)と片山さん

おなじみの包装紙でデイリーファームの味を目指す田渕さん(右)と片山さん クレープの試作を繰り返す田渕さん(奥)と片山さん

 34年にわたり市民に愛された老舗クレープ店「デイリーファーム」を継承しようと、栃木県足利市本城2丁目、田渕三馬(たぶちかずま)さん(65)が19日、井草町の空き店舗にクレープ店「デイリーフレッシュ」をオープンする。2018年に閉店した店主に繰り返し交渉し承認を得た。「あこがれの味に近づき、守り、次代に残したい」と意気込んでいる。

 通2丁目の「いぶきビル」1階にあった旧店は18年9月、ビル解体に伴い閉店した。「学生さんにおなかいっぱい食べてほしい」と、店主久保田英利(くぼたひでとし)さん(78)夫妻が安価でボリューム満点のクレープを提供。人柄も愛され、閉店1カ月前から市内外のファンが最大5時間待ちの列を作った。

 田渕さんは松江市出身の元劇団四季俳優。市内移住後に25年勤めた人材派遣会社を昨年12月に定年退職後、知人を介して久保田さんに知り合った。

 3人の娘もファンだった店。「再現して地域に恩返ししたい」と繰り返し訪ねた。定番メニューや材料、仕入れ先まで独自に調べて質問攻めにし「熱意に折れた」久保田さんが助言するようになったという。

 店は鑁阿寺(ばんなじ)南西の角に隣接する学習塾跡で、市の遊休資産活用支援事業費の補助金を利用した。クレープ店勤務経験のある次女の義姉片山由貴(かたやまゆき)さん(35)と営む。

 直径40センチの鉄板で焼く皮は香ばしく端はパリパリ。250円からの38メニューを用意し、人気の「チョコバナナ生クリーム」やツナや野菜に隠し味が効いた「ヘルシースペシャル」も復活させた。

 3日に開設した公式インスタグラムはフォロワー1157人(18日現在)となった。田渕さんは「反響に緊張している。学生の憩いの場、思い出の味となるよう続けていきたい」と話している。

 店は午前11時半~午後6時半。水曜定休。最寄りの公共駐車場は通2丁目「たかうじくん駐車場」(無料)。(問)同店080・9213・7311。