日経平均株価が3万円の大台を突破した証券会社のボード=15日午後、宇都宮市

 東京株式市場で日経平均株価が約30年半ぶりに3万円の大台に乗せた15日、県内の経済関係者からは「経済にとってプラス」と歓迎すると同時に、新型コロナ禍の中で「実体経済とかけ離れている」と懸念する声があった。証券関係者からは株高基調の継続の見方も出ている。

 県経営者協会の青木勲(あおきいさお)会長は「現在の株価は実体経済とかけ離れており、一喜一憂すべきではない」と強調する。東京など10都府県に国の緊急事態宣言が出ているほか、業績が回復している企業も前年の水準には戻っておらず、観光や宿泊、飲食関係などは業績が低迷したままとの見方を示す。「経営環境はまだら模様で、先行き不透明感は払拭(ふっしょく)されていない」と指摘し、感染予防の徹底を訴えた。

 経営者には期待の一方、警戒感も交錯する。

 フタバ食品(宇都宮市)の増渕正二(ますぶちしょうじ)社長は「各国ともコロナ対策で市場に資金を出し続けているが、それは間違いではない。株高は経済にとってプラスだ」と歓迎した。しかし「(打撃を受けた分野など)使うべきところにこうした資金を使い切れていないとも言える。あまり過信すると、落ち込む可能性もある」と警戒した。

 カンセキ(宇都宮市)の長谷川静夫(はせがわしずお)会長は「製造業などの業績の上方修正が評価されているのかもしれないが、株価が経済の実体を反映しているかどうかは不明だ」と話す。「市場は先の先を見据えた期待感が先行している」との懸念も口にした。

 とちぎんTT証券(宇都宮市)の吉田啓尋(よしだよしひろ)執行役員営業本部長は大台回復の要因として、コロナ感染の世界的な減速傾向とワクチン接種の進展などの影響を挙げる。半導体や電子部品、自動車関連企業など製造業を中心とした好業績を株高の裏付けの一つとみる。

 今後については「ワクチンの普及などを背景に経済正常化による業績回復シナリオが一段と鮮明になれば、株高基調の継続が期待できる」と見通した。