和泉聡氏(右)と早川尚秀氏

 任期満了に伴い4月18日告示、同25日投開票で行われる足利市長選は、3選を目指す現職和泉(いずみ)聡(さとし)氏(57)、同市選挙区県議の新人早川尚秀(はやかわなおひで)氏(48)の一騎打ちが濃厚となった。自民党県連は今月5日、早川氏の推薦を決定し、過去2回の市長選で推薦した現職からの申請を見送った。異例の事態となった背景には保守系市議と現職の不協和音があり、市長選は保守系同士で8年ぶりの選挙戦を迎える公算だ。

 「一本化されたと思っている」。1月下旬、新人の推薦を決めた自民党足利支部拡大役員会後、記者会見した同支部長で同党県連幹事長の木村好文(きむらよしふみ)県議は言明した。

 推薦は現職、新人の2陣営が申請した。拡大役員会では出席者1人が選挙での決定を求め、結果は28対1。木村県議は「党を割りたくないとは、ずっと思っている」と選挙戦を回避したい思惑をにじませた。

 保守系市議の現職離れが決定的となったのは昨年12月下旬。同党と無所属の14人が連名で早川氏に立候補を要請したことを明らかにした。

 不協和音は昨春ごろから目立ち始めていた。新型コロナウイルス感染対策のマスク配布、区画整理事業など、市議会全員協議会や議員懇談会などで市議が市長にくぎを刺すような局面が度々あった。ベテラン市議の一人は「特に4年前、無投票当選した2期目以降、意見を聞かなくなった」と指摘する。

 一方、和泉氏は新型コロナ関連対策の補正予算を例に挙げ、「議会各会派に感染拡大防止や市民生活、事業者支援などの提案を頂き、実際の予算編成に反映することができた」と反論する。

 和泉氏は2013年の市長選で、新聞社を退職して現職の大豆生田(おおまみうだ)実(みのる)氏に挑み、自民党の支援を受けて初当選。再選した17年は無投票だった。

 故早川一夫(はやかわかずお)元市長の長男である早川氏の名は、13年の市長選でも水面下で挙がっていた。「特にここ2、3年、後援会などから期待をしているような声掛けを頂いた」。早川氏は今回の決断の理由を説明し、「未来志向で挑戦、行動をする足利市にしたい。強い活気ある足利市の復活を目指したい」と話す。

 昨年12月に立候補を表明した和泉氏は、あがた駅南産業団地造成や小俣町の市一般廃棄物最終処分場問題解決などの実績に触れ「新しい時代の『元気で輝くまち足利』を実現したいとの思いは、これまでにも増して強くなっている」と訴えた。定数24の同市議会で市議14人は過半数に上り楽観できない戦いとなりそうだが、「立候補の考えに全く変わりはない」としている。