寝静まった13日深夜、激しい揺れが本県を襲った。県内で震度5強を観測したのは8年ぶり。中学校体育館の窓ガラスが割れ、東北新幹線は那須塩原ー盛岡間の移動が絶たれた。東日本大震災から10年。県民はあらためて防災意識を強めた。
大田原市では14日早朝、佐久山小校庭で長さ約30メートルにわたり亀裂(幅約3ミリ、深さ約5センチ)が入っているのを、教員らが発見した。15日には雨の影響で地面がぬかるみ、目視ではほとんど確認できなくなったが、念のため目印としてコーン標識を設置した上、通常通りグラウンドを利用した。
堀内直美(ほりうちなおみ)校長は「亀裂を見たときは驚いたが、大きな被害にはならず、児童の安全を確保できたのでほっとしている」と話した。
湯津上中では体育館の窓ガラス2枚が割れたほか、軒下の天井部分のパネル11枚が落下。周辺にはガラスやパネルの破片が広範囲に飛び散った。また体育館に近い校舎南側の地面が2~3センチ沈下していた。
同校体育館は東日本大震災でも施設全体が傾くなどの被害があり、耐震工事を兼ねて大規模改修が行われた。君島孝典(きみしまたかのり)校長は「生徒のいない時間帯の発生で、人的被害が起こらず本当に良かった。余震への警戒が必要なので、生徒には自分の身を守る方法を考えながら行動するよう指導した」と述べた。