1月のある昼時、宇都宮市内のそば店に立ち寄った。店内には2組の先客がいた。仕事の合間の息抜きでもあったのだろう、スーツ姿の若い男女2人組は、麺をたぐりながら会話を弾ませていた▼そこへ隣のテーブルにいた女性が何かひと言。様子からして会話を注意されたらしい。緊急事態宣言下で食事中の会話はご法度だった。それは解除後も変わらない▼過日、小欄担当宛てに分厚い封書が届いた。厳しいご指摘かと思いきや、小分けに包装された商品券10枚、1万円分が入っていた。同封された紙には「ちょっといいことしようとおもい、おてつだいさしてください」。行間に「頑張れ」の声がにじむ▼直近の記事の内容や、送り主が「あしのみじかいおじさん」とあったことなどから、街頭募金ができなくなっているあしなが育英会のクラウドファンディングに送金させてもらった▼コロナ禍において、同会奨学生に限らず1人暮らしの学生やボランティア団体、NPO法人などが金銭的な苦労を余儀なくされている。その苦境を訴える声は小さく、社会に埋もれてしてしまいがちだ▼人前でマスクなしに声を出すのは、まだ遠慮願いたい。だが支援を求める人たち、支援をする人の声はもっと大きくなってもいい。双方の思いが結び付く、声なき会話が広がる社会を目指したい。