出荷に向け「陽苺」のこん包作業を行う道の駅スタッフ

 栃木県益子町内の二つの観光イチゴ農園は10日、長堤の道の駅ましこで香港に輸出するイチゴを初出荷した。新型コロナウイルスの影響によるイチゴ狩り客の減少を受けて県や町、とちぎ農産物マーケティング協会などが支援し、生産者と輸出業者が市場を通さずに取引できる体制を構築。直接取引のメリットを生かし、独自ブランド「陽苺(ひなたいちご)HINATAICHIGO」として販売する。

 参加するのは長堤の「マシコストロベリーファーム」と塙の「吉村農園」。昨年春の緊急事態宣言時に観光イチゴ園が大きな影響を受けたことを県が把握し、販路確保の一環として輸出に向けた協議が昨年夏から進められていた。香港は日本産のイチゴの流通も多く、需要も高い。

 注文や精算の窓口は道の駅が担当。空港までは前沢の仲野運輸が直送し、本県産農産品の輸出経験がある大阪市の「グローウェルジャパン」が輸出する。

 輸出業者との直接取引により、輸送時間が短縮。独自ブランドで他の国産イチゴとの差別化を図るなど、産地にメリットのある流通体制を整えた。生産者と輸出業者が直接取引するのは珍しいという。

 初出荷となったこの日の朝、道の駅では「陽苺」と書かれた箱に詰められた「スカイベリー」45箱と「とちおとめ」5箱がトラックに積み込まれ、成田空港へ出発。同日夜の現地市場での販売に向け、空輸された。4月ごろまで週2回程度出荷していく。

 マシコストロベリーファームの鈴木康弘(すずきやすひろ)代表(52)は「通常はイチゴ狩りメインだが、来場者が9割減の状況のため出荷を増やしている。成田が近いので、輸出は新しい販路としていい。今後は参加する生産者が増えていくことを期待している」と話した。