若い時分は薄給も顧みず、頻繁に夜の街へ繰り出した。当然、懐が追い付くわけもなく、足りない分は借り入れが頼りだった。だが、返済分が月々の不足に追い打ちとなり、また借り入れて。悪循環の解消には時間がかかった▼県の2021年度当初予算案が9日、発表された。一般会計は1兆154億円。大台に乗ることを聞いてはいた。それでも県予算としては見慣れない単位を目にして、改めて驚いた▼全体像同様に目に付いたのは、初めて1兆2千億円台に達した県の借金である県債残高だ。財政健全化には少しでも減らしたいところなのだが、前年度に続き大幅に増加した▼内訳を見れば、公債償還費が約1千億円なのに対し、新規の県債発行額は1200億円を超える。単純に金額だけを見れば、苦しい財政運営の中で借金返済のために新たな借金を余儀なくされている▼県債の半分近くは、地方交付税の仮払いに当たる臨時財政対策債であり、残高が膨らむ。早く払ってくれればいいのだが、国も国債残高が1千兆円に迫るなど構図は地方と同じだ。余裕などない。この国を取り巻く負の循環を早く緩めなければならない▼なくなって久しい予算額の語呂合わせをしてみると、「遠い(101)いつよ(54)健全化」などと頭に浮かぶ。いつまでも続いていいわけがない。