生態系維持回復事業計画が想定する行政の役割分担

 ニホンジカの食害から希少な植物を守るため、環境省は年度内に、日光国立公園日光地域の「生態系維持回復事業計画」を策定する。自然公園法に基づく計画で、関係機関の役割をより明確化し、対策の効果を高めることなどが狙い。策定を機に奥日光や、足尾地区の一部でシカの捕獲を強化することも予定している。

 同省中央環境審議会の小委員会が1月、計画策定を諮問され、了承した。国立公園での策定は知床や尾瀬、白山などに続き12例目。

 同省によると、日光では1984年の豪雪を最後に降雪量が減少。シカの個体数が急増し、シラネアオイをはじめとする高山植物や湿原、林床などに被害が目立ち始めた。対策が講じられているが、シカの生息密度は依然高く、植生の回復は一部地域にとどまる。