8日正午ごろ、世界遺産「日光の社寺」の表参道を歩く人はまばらだった

栃木県への緊急事態宣言が解除された8日、東武ワールドスクウェアを訪れた観光客

8日正午ごろ、世界遺産「日光の社寺」の表参道を歩く人はまばらだった 栃木県への緊急事態宣言が解除された8日、東武ワールドスクウェアを訪れた観光客

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が8日、栃木県のみ解除になり、コロナ禍で疲弊する日光や那須塩原の観光地では「地元の解除が第一歩になる」と期待感が高まった。一方、首都圏4都県などへの宣言が1カ月延長された影響で、2、3月に見込んでいた修学旅行がキャンセルとなった観光施設も。県の外出自粛要請が続く中、関係者は「一日も早く全国で収束してほしい」と声をそろえる。

 「栃木の宣言解除で明るい兆しが見えた」。日光市鬼怒川温泉大原のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」の宮原弘(みやはらひろし)社長(77)は説明する。2日に解除が決まったこともあり、6、7日の同園には平日の約6倍の人が来園したという。

 一方で首都圏を含む10都府県への宣言延長の余波で、修学旅行のキャンセルが相次ぐ。3月上旬にかけて受け入れるはずだった埼玉、東京などの小中学・高校計26校約3300人の予約が消えた。

 総支配人の根本幸央(ねもとゆきお)さん(50)は「期待していたが、見込みがはずれた」と落胆する。宮原社長は、栃木県の解除で「一歩踏み出すことができる」とも話す。「足元を見つめ直し、今の時勢にもマッチしたことをやっていきたい」

 世界遺産「日光の社寺」は、平日ということもあり訪れる人の姿はまばら。日光東照宮によると、8日の参拝者数は677人。先週の平日と比べ、わずかに増えただけという。

 近くで土産物などを扱う「あさやレストハウス」を経営する日光東飲食物産組合の亀田祐司(かめだゆうじ)組合長は「まだ耐えるしかない。全国的に感染が落ち着いて(政府の観光支援事業の)『Go To トラベル』の再開を期待したい」。

 那須塩原市湯本塩原のスキー場「ハンターマウンテン塩原」の中條健一(なかじょうけんいち)支配人(46)は、栃木県への宣言解除を「(県民の)外出へのハードルが下がるので、客入りに期待している」と受け止める。

 感染対策を施して営業を続ける中、一部リフトについては入り込み客数を踏まえて計画的に運休しているという。中條支配人は「(他の都府県の宣言も)早く明けてほしい」と全国的な早期収束を願った。