下野新聞電子版には本紙にはない夕刊がある。毎晩、おくやみの速報と記事を配信しているが、その中に「あすは何の日?」という企画がある。昨晩は「1901年 福沢諭吉(ふくざわゆきち)死去」を掲載した。つまり今日は、1万円札の“顔”の命日である。

 福沢の経歴をたどると、新千円札の肖像画に決まった近代医学の父・北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)との縁があった。福沢は、ドイツから帰国したばかりの北里を支援し、伝染病研究所の開設に力を貸す。その恩を受け北里は、感染症と細菌学の研究に尽力。さらに予防医学を提唱し、国民に衛生意識を定着させたのも北里の功績とされる。

 北里が登場するころには、コロナ禍が収束していると思うが、財布の中で2人は何をつぶやくだろうか。以下は、名言を基にした空想だが、北里は「熱と誠があれば何事も達成できる」と、後輩たちにエールを送るだろう。一方の福沢は、熱も誠も伝わってこない政治に対し「政治は悪さ加減の選択である。過度な期待は禁物」と笑うだろう。