記者会見で緊急事態宣言解除後の対応方針を説明する福田知事=4日午後、県庁

政府の対策分科会が示す感染状況の指標と県内の状況

記者会見で緊急事態宣言解除後の対応方針を説明する福田知事=4日午後、県庁 政府の対策分科会が示す感染状況の指標と県内の状況

 栃木県を含む11都府県に発令中の緊急事態宣言は、栃木県のみが7日で解除となる。新規感染者数が減少し、政府の対策分科会が示す感染状況の指標が改善したためだが、医療提供体制は依然逼迫(ひっぱく)した状況にある。県は4日の対策本部会議で8日以降も、県民の外出や飲食店の営業時間に制限を設けることを決定。新規感染者の減少傾向を維持したい考えだ。

 1月13日に宣言対象区域に加わって3週間。宣言の効果について、福田富一(ふくだとみかず)知事は今月4日の記者会見で「絶大だ。報道や情報発信の量が格段に違い、行動変容につながった」と評価した。

 宣言下で実施した飲食店に対する営業時間の短縮要請は「人と人の接触を減らし、感染の機会を少なくするために有効だった」と強調し、8~21日も継続することを決めた。

 実際に人口10万人当たり直近1週間の新規感染者数は、3日現在で6.8人。政府の対策分科会が示す指標も、ステージ3(15人以上、感染者急増)を下回っている。

 新規感染者は減少したが、病床稼働率や全療養者数など医療提供体制に関する3指標は、3日現在もステージ3が続いている。県有識者会議議長で県医師会の稲野秀孝(いなのひでたか)会長は「医療現場に余力はない。新規感染者の減少を続けることが重要だ」と訴える。

 宣言の解除に当たって焦点だったのが「段階的緩和」の手法だ。8~21日の時短要請は、区域を県内全域で維持する一方、営業時間は宣言下の「午後8時」から「午後9時」に1時間延長する。小幅の緩和にとどまったことを福田知事は「複数の選択肢の中から厳しいものを選んだ。解除後の感染拡大は最悪のパターンで、回避しなければいけない」と説明した。

 一方、昨年12月に複数回発した県独自の警戒メッセージは、結果として新規感染者の抑制に結び付いていなかった。今月8日以降、県は「最後の手段」である宣言に頼らず、県民と危機意識の共有を図ることになる。全国唯一の「宣言解除区域」として、今後の感染動向に注目が集まる。