小山市城山町2丁目の友井タクシー(加藤政弘(かとうまさひろ)社長)は4日、新型コロナウイルスの陽性が疑われる患者の移送専用車「ケアタクシー」1台の運用を始めた。PCR検査会場や栃木県が用意した療養施設、病院への送迎などを想定している。乗務員を感染から守る取り組みでもあり、同社によると、県内のタクシー会社としては初めての事業という。
運転席と後部座席を透明なビニールシートで遮断し、車内を次亜塩素酸のミストで除菌しているのが特徴。運転手はマスク、ゴム手袋、フェースガードを着用し、乗客の介助が必要な場合に備え、防護服も常備している。
運用のきっかけは、乗客を降ろした先がPCR検査会場だったことが最近続いたためだ。同社はその度、乗務員を勤務シフトから外し、健康状態を数日間観察しなければならなかった。陽性を疑われる患者が路線バスなど公共交通機関を利用するのを防ぐため、小山地区医師会からも感染対策を施したタクシー運行を要請されていたという。
PCR検査会場までの移動手段について、小山市はこれまで宇都宮市内の民間救急車を紹介していた。ただ、個人負担が数万円かかるケースもあり、小山市にとっては悩みの種だったという。ケアタクシーの利用料金は貸し切りで30分ごとに3380円。同市の浅見貴幸(あさみたかゆき)保健福祉部長は「待ち望んでいたサービスでありがたい」と話す。
予約について、同社は「乗務員を守るため、必ず『ケアタクシー』と申しつけていただきたい」と話している。(問)同社0285・22・0840。