宇都宮市で印刷会社を営む宮本誠(みやもとまこと)さん(52)は、平安時代に平将門(たいらのまさかど)の乱を鎮圧した藤原秀郷(ふじわらのひでさと)について「これほどの人がなぜ知られていないのだろう」と残念がる▼朝廷から乱鎮圧の最高殊勲者と認められ、武門の頂点である鎮守府将軍に任命された。代々世襲され、一貫して本県に拠点を持ち続けて源平と並ぶ名門武士団が成立した▼小山氏、佐野氏、那須氏、奥州藤原氏などは直系で、源頼朝(みなもとのよりとも)は子孫の西行法師(さいぎょうほうし)に弓馬の教えを求めた。武士・武芸の祖として仰がれる存在で「近江の大百足(むかで)退治」や「宇都宮の百目鬼(どうめき)退治」などの伝説はその活躍が後世に集約されたものという▼関心を持ってほしいとの思いが高じ、2017年から社内プロジェクトとして、知名度向上の地域活性化事業に取り組んできた。昨年3月には「栃木の武将『藤原秀郷』をヒーローにする会」を立ち上げ、活動の幅を広げた▼これまで歴史講演会や街歩きイベントを催し、ホームページを開設した。県民の郷土愛醸成と県の魅力度向上を目的に掲げ、ゲームのコンテンツ作成など夢は大きい▼最近、爆発的なヒットとなった漫画「鬼滅の刃(やいば)」の関連書籍で、鬼伝説と関わる秀郷の存在に注目が集まっている。22年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では子孫の武士が多数登場するだろう。追い風を生かしたい。