施設のトイレを消毒する邦和理工の従業員(同社提供)

施設のトイレを消毒する邦和理工の従業員(同社提供)

施設のトイレを消毒する邦和理工の従業員(同社提供) 施設のトイレを消毒する邦和理工の従業員(同社提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、栃木県内の消毒業者にも依頼が相次いでいる。病院など感染者が確認された施設に出向き、細心の注意を払いながら地道な拭き取り作業を続ける。リスクと隣りあわせの現場で、昼夜を問わず依頼者の不安の払拭(ふっしょく)に力を尽くす。

 病院、工場、学校、企業のオフィス、スーパー、百貨店-。宇都宮市の邦和理工は、これまで延べ200件以上に対応してきた。県内で感染者数が急増した昨年12月以降は多いときで1日4、5件の依頼が相次いだ。PCR検査の結果が判明する夕方以降に依頼が入ることが多く、作業は夜になる。

 感染者の動線を確認し、ドアノブやテーブルなど触りそうな場所や飛沫(ひまつ)が飛ぶ箇所をアルコールで拭き取り、床などに薬剤を散布する。岩崎崇(いわさきたかし)副社長(48)は「特に警戒するのがトイレ。(ウイルスに汚染された)便が飛び散り、乾燥して浮遊するため、天井まで徹底してやる」と明かす。

 地道な手作業がほとんどのため、大きな工場を20人掛かり、1日で対応したこともある。最も注意するのは防護服を脱ぐとき。二次感染を防ぐため、動作の順番を徹底して守り、動作のたびに消毒する。

 病院の感染者病棟にも出向く。目の前でマスクをしていない患者が話していることもある。「従業員は相当な心身のストレスの中、使命感と感謝に支えられ、やれている部分が大きい。現場を見てるだけに、医療関係者はさらに高いレベルの警戒、負担を常に強いられ、その大変さはよく分かる」と話す。

 県内の消毒業者で作る県ペストコントロール協会の高崎博司(たかさきひろし)会長(49)は「従業員の感染リスクや家族の事情もあり、対応できる業者が限られている面はある」と複雑な心境を語る。

 社長を務めるサニター興業(宇都宮市)では病院など50件ほどを担当した。安全を最優先に作業するが、従業員の希望を優先し、限られた8人で対応している。初期には、通常業務の相手先からコロナの消毒を担当する従業員は外してほしいと求められることもあったという。

 「防疫業務は業界の使命の一つ。(本県が)緊急事態宣言の対象から外れて、感染者がどうなるかも見通せない。自分たちがやらなくては、という思いで対応していく」と強調した。