転落事故が起きたアトラクションの施設=2019年8月5日、那須町高久乙

 那須町の遊園地「那須ハイランドパーク」で2019年8月、高さ約5メートルの遊具から男性客が転落死した事故で、県警捜査1課と那須塩原署は1日、業務上過失致死の疑いで、いずれも遊具担当だった元アルバイト従業員の大田原市、大学生男性(20)と、元従業員の那須塩原市、無職男性(49)の2人を書類送検した。男性客の遺族は同日、代理人弁護士を通じ「二度と私たちのような犠牲者を出すことがないよう、(運営会社には)安全性について、もう1度真剣に向き合ってもらいたい」とコメントを発表した。

 送検容疑は19年8月5日午前11時50分ごろ、同施設内の遊具で、命綱の接続状況を確認し事故を未然に防ぐ注意義務を怠った過失で、相模原市緑区下九沢、自動車板金塗装業横尾一範(よこおかずのり)さん=当時(51)=が遊具から落下する事故を起こし、約6時間後に横尾さんを死亡させた疑い。

 遊具は、高さ約5メートルの足場から1~3メートル離れたサンドバッグ型ポールに飛び付くアトラクション。捜査関係者によると、元アルバイトは事故当時、横尾さんに命綱を付け忘れた。現場責任者だった元従業員は、不在だったという。

 事故後、同園を運営する「藤和那須リゾート」(那須町高久乙)は調査報告書をまとめ、事故の背景に組織的な安全対策不足があるとした。元アルバイトは出勤6日目だった。

 横尾さんの妻は、コメントで「子どもの成長を楽しみにしていた主人の無念を想像すると涙が止まりません」と思いを寄せた。同社広報は、下野新聞社の取材に対し「遺族に誠意を持って対応する」とした上で、安全面に重きを置いたマニュアルの改訂や、力量に応じた人員配置など再発防止策を講じているとした。