病気や災害で親を亡くした子どもの学業を支える「あしなが育英会」。その奨学生たちがクラウドファンディング(CF)による募金活動を展開している▼新型コロナの感染拡大によりできなくなった街頭募金の代わりだという。確かに宇都宮市内でも昨年は、大通りや駅構内に立つ奨学生の姿を見掛けなかった▼奨学生も家庭も、容赦ない新型コロナの影響を受けている。同会が昨年実施した全国アンケートでは、大学生の25%が退学を検討したことがあり、22%が「食事を我慢している」と答えた▼保護者は、85%が収入に不安を抱く。「非正規雇用を任期満了で退職した後、仕事が決まらない」「自分の食べ物を我慢し子どもに回している」。県内の母親が訴える窮状は身につまされる▼インターネットで「あしながグローバル100チャレンジ」を検索すると、CFサイトが並んでいる。その中に小紙で協力を呼び掛けた宇都宮大2年山本有衣子(やまもとゆいこ)さん(20)=栃木市=のものがあった。目標の20万円に対し、27日までに集まったのは9万7千円余り。他にも苦戦する学生は少なくない▼コロナ禍で苦しむのは奨学生に限ったことではない。だが、「将来ある若者のため」と思う人の善意の輪が広がるといい。協力者への返礼は奨学生の、そして奨学生が活躍する社会の明るい未来だ。