市内の小売店でキャッシュレス決済する利用者

 【日光】市内の飲食店や物産店などで、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済の導入が広がっている。新型コロナウイルスの影響を受ける地域経済の活性化と、非接触型決済による感染防止の取り組み推進のため、市が昨年12月、スマホの決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を活用した「消費者還元キャンペーン」を実施。これを機に、加盟店が一気に増えた。市は2月から第2弾を実施するが、利用できる場所は900カ所を超える見込みだ。

 「以前から、お客さんの要望があって導入しました。今は決済の2割ほどを占めています」

 昨年10月にキャッシュレス決済を取り入れた清滝丹勢町のレストラン「丁田屋(ちょうだや)」の店主小平憲彦(おだいらのりひこ)さん(43)は手応えを感じている。「決済方法の間口が広げられた。今後も期待したい」

 市内では2019年10月の消費税増税に伴う国の消費者還元事業を受け、同決済の導入が加速した。市などによると、ペイペイについては増税後の9カ月間で約280カ所が導入。さらに先月の市の同キャンペーンに合わせ、新たに約290カ所が加盟したという。

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 利用する業種も広がりをみせている。

 二社一寺の公認ガイド組織「日光殿堂案内協同組合」は昨年11月に導入。案内人へのガイド料金の支払いについても、同決済を可能にした。春日武之(かすがたけゆき)理事長(69)は「キャッシュレス化の時代に合わせた。導入にも手間がかからず、決済方法も簡単」と語る。

 消費者からの反応も上々だ。今市の老舗酒蔵「渡辺佐平商店」で買い物をしていた今市、50代の会社員男性は「コロナ禍の中、現金を触らず会計できるので安心です」と話した。

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 市は2~3月、同キャンペーンの第2弾を実施する。市内の大手チェーンなどを除く対象店舗でペイペイを使って決済すると、消費者に決済額の最大20%分が還元される(付与上限は1回千円相当、期間中は計1万円相当)という内容だ。

 事業費は第1弾、第2弾を合わせて、数千万円規模を予定。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用する。

 機械操作への苦手意識や、現金の直接やりとりがない「見えない決済」への不安から、導入にちゅうちょする事業者もいるが、市の担当者は第2弾に向け、「感染予防にも役立つキャッシュレス決済が、さらに広がれば」と期待している。