宇都宮市議から質問や意見が相次いだ議員協議会=25日午前、同市議会棟

 JR宇都宮駅東側の次世代型路面電車(LRT)整備計画の事業費が予定を大幅に超え、開業も約1年遅れる見通しとなったことを受け、25日に開かれた宇都宮市議会議員協議会(全協)では市議から批判が噴出した。「(増額は)誤差の範囲を逸脱している」「見通しが甘い」といった指摘が相次ぎ、佐藤栄一(さとうえいいち)市長らは釈明に追われた。

 全協では市議12人から質問や意見が上がった。買収面積の増加などに伴う約70億円の増額について、自民党議員会の馬上剛(うまがみごう)幹事長は「想定外とはいえ、もう少し精査できなかったのか」と追及。公明党議員会の村田雅彦(むらたまさひこ)市議は、鬼怒川東地域の地盤の弱さは周知の事実だとして「なぜ標準的な調査で積算し、計画を立てたのか」と苦言を呈した。

 「事業の見通しが甘かった」と糾弾した共産党市議団の福田久美子(ふくだくみこ)団長は説明の遅れも指摘し、「議会に対し不誠実さを感じざるを得ない」と切り捨てた。

 複数の市議から疑義が出されたのは、増額公表のタイミングだ。昨年11月に行われた市長選で、佐藤市長は、LRTの巨額な整備費用を問題視して事業の一時凍結を訴えた対立候補者に圧勝した。

 緑の未来の出井昌子(いでいまさこ)代表は「市長選の時に(増額が)明らかになっていれば、市民の投票行動も違った」と指摘。市執行部は、11月には事業費を精査中で、市長への報告は1月となった経過を説明したが、市民連合の小平美智雄(こだいらみちお)市議は「市のガバナンスとして非常に問題がある」と断じた。

 事業継続の是非を市民に問う住民投票の必要性について言及した市議もいた。佐藤市長は「市民のために、何としても成功させなければならない事業。これからも丁寧に説明しながら進めていく」と理解を求めた。