LRT整備事業費が増加した要因などを説明する佐藤市長=25日午後、宇都宮市役所

JR宇都宮駅東側のLRT事業費

LRT整備事業費が増加した要因などを説明する佐藤市長=25日午後、宇都宮市役所 JR宇都宮駅東側のLRT事業費

 JR宇都宮駅東側で次世代型路面電車(LRT)の整備工事を進める宇都宮市は25日、芳賀町分を含め税別458億円としてきた概算事業費が226億円増の684億円になると発表した。地盤改良の費用、買収面積の増加、安全対策強化などが押し上げた。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで用地取得に時間を要し、開業予定は2022年3月から1年程度延期する。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「開業を期待していた市民におわびをしたい」と述べた。

 全市議向けの議員協議会と記者会見で明らかにした。事業費のうち市分は16年度に発表していた412億円から191億円増の603億円となり、町分は46億円から81億円に増える。市分について佐藤市長は「増減があることは分かっていたが(増加は思いの外)大きな数字。工種が多く、発注段階で精査した数字が出てくる。予想外の対応をしなければならなくなった」と説明した。

 市の追加分内訳は、鬼怒川周辺や野高谷(のごや)高架構造物区間、車両基地などの地盤改良(47億円)、測量後に判明した買収面積、補償物件数の増加(31億円)といった施工条件への対応に102億円。電力ケーブルなど地下埋設物の移設に35億円かかる。労務資材価格上昇への対応、安全性・利便性の向上などにも費用を追加する。

 追加分の原資は、これまでの枠組みに沿って国から半額の支援を受けられるよう要請する。国支援が見込めない場合は主に基金と市債で賄うが、市によると、その場合でも財政に占める借金返済の割合である公債費負担比率は12%程度で、目標の15%を下回る。

 一方、開業延期の主因となったのは用地取得の遅れ。昨年末現在、市域の全地権者404人の契約率は90%、事業面積では95%にとどまる。工事は整備区間の5分の1で未着手だ。

 開業延期に伴い増えるLRT運営会社宇都宮ライトレールの開業前経費5億円は、両市町が負担する。

 駅東側の区間は駅東口~芳賀・高根沢工業団地の14.6キロで、18年6月に着工。駅西側の延伸計画もあり市は区間を検討している。