県内新型コロナウイルス感染者のうち「入院調整中」の患者数推移

 県内で確認された新型コロナウイルス感染者のうち、「入院調整中」として自宅で療養する人は23日現在で557人となっている。昨年12月ごろから感染者数が急増し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)したことで、1月17日には過去最多の984人に達した。新規感染者数の減少傾向と連動して減りつつあるが、依然として高水準にあり、確保した病床や施設では陽性者を受け入れきれない状況が続いている。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 県は患者を医療の管理下に置くため、陽性が判明した人は原則、医療機関か宿泊療養施設で受け入れる方針を示している。ただ、実際は陽性判明後も自宅で過ごし、「無症状で10日経過」という自宅療養の解除基準を満たした人が相当数、存在するとみられる。

 県内療養者数は23日現在、全体で971人。そのうち入院者数が186人であるのに対し、入院調整中の人は557人で、自宅療養者が県内療養者の半数以上を占めている。

 自宅で療養するのは、軽症や無症状で重症化のリスクが少なく、医師が入院を必要ないと判断した人。保健所が1日1回の健康観察を実施し、状態を把握している。しかし自宅療養中に容体が急変して死亡する事例が、県内でも22日までに2件発生した。

 自宅療養者の増加を受け、県は受け入れ施設の拡充を図る。病床数は現状の337床から、さらに20床程度を確保できる見通しだ。宿泊療養施設も2月中には計4施設体制にする。

 自宅での療養生活も支援する考えで、今月18日には、親族や知人といった生活を支援してくれる人が身近にいない1人暮らしの患者や、同居者全員が陽性になった患者への生活支援も始めた。希望に応じて食料品や日用品を自宅へ届ける仕組みで、22日までに14人へ物資を届けた。

 一方で、急変の可能性もある自宅療養者への医療的なアプローチが足りないとの指摘もある。県内で新型コロナ患者の診療に当たる医師は「自宅療養者にも医療や心のケアが必要だが、その際の人員や手法など医療提供体制には課題がある」と訴えている。