「子どもにヒントを与えて物語を一緒に解釈してほしい」と話す白鴎大の玉宮准教授=栃木県小山市大行寺

 大ヒット漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」は、アニメ化、映画化もされ子どもから大人まで幅広い年代から人気を集めている。戦闘シーンでは首を切ったり、流血したりと生々しい場面もある。公開中のアニメ映画版は12歳未満は保護者の助言や指導が必要な「PG12」に区分されている。残酷な描写が含まれる作品を子どもが見る際、どんなことに注意したらいいか。子どもがメディアから受ける影響などに詳しい白鴎大教育学部の玉宮義之(たまみやよしゆき)准教授(43)=社会心理学=に聞いた。

 攻撃で敵を倒すといった内容のアニメを子どもが今まで見たことがない場合は、いきなり「鬼滅の刃」を見せるのでなく、そこまで刺激が強くない戦隊ものなどを見せてどんな反応をするか確認するのが良いという。「子どもが今までどんな作品に接してきたかを考えて見せるかどうかの判断をしてほしい」と話す。

 流血シーンなどで子どもが怖がっていたら、背中をさすったり、声を掛けたりすることで子どもの不安が軽減される。それがネガティブな影響をひきずるのを防ぐことにつながるという。保護者が事前に物語の内容を確認し「このシーンはうちの子には厳しい」と感じたらそこを見せないようにする方法も有効と考えられる。

 子どもが登場人物のまねをして「首を切ってやる」「死ね」などと言う場合は「どんな文脈でその言葉を発しているのかを慎重に見てほしい」。4、5歳の子どもでも現実とフィクションの世界の区別はついているという研究があるという。「鬼滅の刃ごっこ」としてやっている時は「そこまで心配する必要はない」と指摘する。

 ただ、友達とのケンカなどでそういった発言があった時は注意が必要。「私たちが生きている社会では暴力的な言動で問題解決するのは良くないと再解釈する余地を与えてあげるのがいい」

 鬼滅の刃は家族愛といったポジティブなメッセージが込められているが「小学校低学年ではそこまで読み取れないのでは」とも指摘。一緒に見ている大人が「どうして炭治郎(主人公)はあんなに体を張って戦っていたんだろうね」と話すなど、「ヒントを与えながら一緒に解釈していくことが重要」とアドバイスする。子どもが幼ければ幼いほど、テレビ、アニメなど子どもがどんなものに接しているかを把握し、一緒に経験して解釈の仕方を助言することが大切、と呼び掛けた。

 【鬼滅の刃】作品の舞台は大正時代。炭焼きの竈門家の長男炭治郎は留守中に鬼に家族を殺され、生き残った妹禰豆子も鬼の血が傷口から入り、鬼と化す。妹を人間に戻すため、炭治郎は厳しい鍛錬を積み、鬼を狩る組織「鬼殺隊」に入隊。仲間たちと鬼と戦う。漫画は昨年5月まで集英社の「週刊少年ジャンプ」で連載された。映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は国内興行収入歴代1位を記録した。