窯の中で袋に詰められる菊炭=13日午前11時、市貝町石下

 断面が菊の花に見えるため菊炭と呼ばれる茶道用の高級炭の今季の生産が特産地の市貝町石下(いしおろし)で始まり、炭焼き窯で原料のクヌギを焼く煙の香りが里山を漂っている。

 同所の「片岡林業」は11日に窯に今季初めての火を入れ、13日には社長の片岡信夫(かたおかのぶお)さん(56)が別の窯で昨季最後に焼いた菊炭の窯出し作業に精を出した。

 片岡さんは「芳賀物(はがもの)」と称される良質な菊炭を「下野菊花炭」の名で生産。厳寒期のこの時季にクヌギを切って焼く「寒切りの寒焼き」と呼ぶ伝統の製法を守っている。

 真っ黒に焼けた炭を袋に詰めて窯から取り出す作業を繰り返し、額に汗をにじませた片岡さんは「いい時季に切っていい焼き方をして同じものを作り続けることが大事」と話した。炭焼きは5月まで続く。