透析患者の新型コロナウイルス感染について、県内の切迫した状況を語る県透析医会の村山会長=9日午後、宇都宮市内

 県内で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染者急増を受け、栃木県透析医会の村山直樹(むらやまなおき)会長(68)は11日までに下野新聞社の取材に応じ、「感染した透析患者に対応できる県内の病床が非常に逼迫(ひっぱく)している」と危機感をあらわにした。さらに厳しい状況下にある他県の実情を挙げ、「透析患者は家族ぐるみで最大限の対策を講じて自分を守ってほしい」と訴えた。

 村山会長によると、糖尿病などで人工透析治療を必要とする患者は県内に約6400人いる。患者は高齢者が多く、感染した場合の重症化リスクが高いとされる。人工透析治療は通常、週3回、4~5時間程度の時間を要する一方、複数患者の透析を大きな一室で対応している診療所も多く、クラスター(感染者集団)につながるリスクもある。

 東京都や埼玉県などでは透析患者の感染確認が急増し、基幹病院などのベッドが満床となり、感染した透析患者を入院させることができない状況も発生しているという。

 県内の拠点病院には感染した透析患者に対応できる病床はあるが、徐々に余裕がなくなってきている。「他県のような状況に本県がなることは十分あり得る。透析患者が感染しても透析治療も並行して受けられるベッドがないという状況は絶対に避けなければならない」と強調する。

 村山会長は拠点病院で受け入れが難しくなる事態を想定。備えとして、透析を行っている各診療所などで、個室や隔離など感染対策も両立した体制を取れるよう、行政が支援することも重要とする。「医療体制が厳しくなっていることを透析患者にも理解してもらいたい。自身や家族みんなで感染を防ぐ意識、行動が何より重要」としている。