市指定文化財でもある豪農屋敷の長屋門

 栃木県小山市農泊推進協議会(会長・浅野正富(あさのまさとみ)市長)は9日までに、古民家ホテルとして改修予定だった下国府塚(しもこうつか)の豪農屋敷について、宿泊機能は持たせずに農泊関連の交流や体験ができる施設として活用する計画に改めた。改修に充てる予定だった農林水産省の補助金申請は取りやめ、すでに交付された補助金の一部、約80万円は返納する。

 訪日観光客をターゲットに想定していた古民家ホテルは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で採算が見込めないと判断し断念した。計画変更は、昨年12月25日に開いた同協議会総会で了承した。

 協議会は市内の農泊事業を推進するため、市や市内の農業・観光関連団体で2018年7月に発足。学生らを対象とした農家民泊と、個人旅行対象の古民家ホテルを両輪にした事業モデルの構築を目指していた。

 農家民泊は現在、6軒の農家が受け入れ先として登録されており、今後も継続する。古民家ホテルは断念したが、協議会事務局の市総合政策課は「農村地域の振興という方針に変わりはない」としている。

 豪農屋敷は農泊推進の拠点として位置付ける。21年度以降、関係団体や地元住民の協力を得ながら、地域の農産物を使った料理教室や総菜の販売、そば打ち体験、演奏会などのイベント開催を検討する。

 豪農屋敷は築約400年の母屋と離れ、長屋門などがあり、現在は市が出資する道の駅思川の運営会社「小山ブランド思川」が所有している。施設での事業は、農業法人の設立を目指す市内企業が中心となって進める方向だという。