レッドゾーンとしてテープで囲われた療養者専用入り口=7日午後5時45分、宇都宮市泉町

 栃木県内で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、軽症者らの宿泊療養施設となっているホテル丸治(宇都宮市泉町)の関係者が7日、下野新聞社の取材に応じ、療養者の食事準備や部屋のベッドメイキングなどに追われる実情を明かした。「もっと療養者を受け入れたらいいのに」といった声に心をすり減らすこともあるが、「受け入れる側もフル回転でやっていることを知ってほしい」と訴えた。

 「現在軽症者を受け入れ中のため入館できません」。同ホテル入り口には、こう書かれた張り紙が貼られている。

 ホテル内は、療養者とそれ以外の人の導線を分ける「ゾーニング」を徹底。3つのフロアが宿泊療養専用となっている。ホテル従業員は療養者の弁当の準備、消毒が済んだ部屋の清掃やベッドメイキングなどを担当する。

 感染拡大の「第3波」により、11月下旬ごろから稼働が増えた。ここ数日は連日10数人を受け入れている。自宅療養中の患者からは「家には高齢者がいるので、そちらへ行かせてもらいたい」といった問い合わせが来るという。県によると、同施設での療養は、医師による「入院の必要なし」との判断を受け、各保健所が決めている。

 同ホテルの福田治久(ふくだはるひさ)専務(47)は「県による感染症の対応で消毒などがあり、すぐに部屋を作り上げられるわけではない。手を抜いているわけでも、受け入れを拒否しているわけでもない」と訴える。県は今後、回転率を上げるため、消毒作業の手順を見直すという。

 同ホテルが最初に療養者を受け入れたのは昨年5月。「未曽有の事態に、地域のためにできることを」と手を挙げた。通常のホテル営業に戻った時に宿泊客がどう思うか、といった不安はある。それでも今は「療養者にここで少しでもいい思い出をつくってもらいたい」という思いで、自分たちにできることと向き合っている。

 県によると、同ホテルではこれまでのべ約150人を受け入れてきた。療養者は1日3回検温し、常駐する看護師がビデオ通話で一人一人の健康観察を行っている。